Simplicity.

20歳のミニマリスト。自分の周りを居心地のいい空間で囲みたい!!

何か自分の軸となるものを見つけたくて。奥山清行さんの「100年の価値をデザインする」

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久しぶりにあっという間に読んでしまう本に出会えました。

こんにちは、RINです!❁

ここ最近、美大に入ったはいいものの、周りの人達のレベルの高さに圧倒されたり、何を大切にして課題をこなしていけばいいか分からずしばらく悶々としていました。

 

自分の軸がしっかり定まってなくて、小さな子供がおもちゃ屋さんで「どれが欲しい?」と言われても決められなくて「無いなら帰るよー」と急かされるような感覚。

 

 自分の軸や信念と言えるものをしっかり持っている人はやっぱりブレない強さがありますね。

 

100年の価値をデザインする

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 少しでも何か自分の軸になるものはないかなぁ〜と有名なデザイナーやデザインサイトがおすすめしている本を探していました。

そんな中で面白そうだと思ったのが、「100年の価値をデザインする」という本。

 

 

フェラーリやマセラティ、新幹線などをデザインする世界的に有名なデザイナー、奥山清行さんが書かれた本です。

 

「100年の価値をデザインする」という言葉通り、ブレない価値をデザインするのに役立つ情報が満載。

 

自分の軸や信念が見えずにもがいていた時に一筋の光を与えてくれた本でした。

この本で私がブレずに持っておきたいなと思ったのが"日本人としてのセンス"。

これはもっと努力して極めたいと思えたものです…!

 

日本人のセンス

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海外に出てみれば、日本人がいかに優れているかが実感できる。

…だからぜひ、多くの人に「たった一人で世界に打って出る」意識を持ってもらいたい。

その上で努力をすれば、誰もがクリエイティブな力を手に入れ、活躍することができる。

世界的な工業デザイナー・奥山清行さんは、自分が世界で活躍できた理由を「日本人としてのセンスがあったから」と語っています。

 

「"日本人のセンス"なんてあるの…??」と半信半疑だったんですけど、読む進めていくうちに、「たしかになるほど、これは日本人のセンスだ…!」と思えました。

このセンスは私が大切にしていきたい価値観です。

 

切り捨ての文化

たとえば、デザインのプロセスではたくさんのアイデアを取捨選択する必要が出てくるが、僕は無意識のうちに日本の方法論を選択に活かしていた。

それは、本質をみきわめ、枝葉を大胆にそぎ落としていくという伝統的な切り捨ての文化に沿ったものだ。

 私もこの本を読んで知ったのですが、「切り捨ての文化」は他国ではあり得ない思想だそう。

装飾をたくさん付けたりしてものを増やすのではなく、素材をよくしたり一つのポイントとなる部分を最高のものにしたり、クオリティを上げて全体の質感を高めていく考え方は日本ならではなんです!

 

最近はミニマリズムやミニマリストが流行ってますが、あれも何か一つのことを最大化するためにそれ以外のものを切り捨てているんですよね。

 

これが、日本人のセンス。

 

この切り捨ての文化と同じような考え方をしているデザイナーでも、他国の人にやらせるとくどいデザインになってしまうらしく、本質への踏み込みが甘くて2.3年で飽きてしまうようなアイデアしか出てこないとか…。

 

 

他人に敏感すぎる

 日本人は相手の気持ちや周囲の状況にものすごく敏感で、時には過剰なほど相手が何を考えているかを気にする。

世界中どこをさがしても、こんなに周囲のことに敏感な人種は他にいない。

日本人はほんとに周囲の動きや空気を読むのに敏感で、こちらが気づかれたくなくても気持ちに気づかれてしまうこともしばしば。

 

その周りを気にしすぎることは日本人のダメなところかと思っていたけれど、考えが一変しました。

 

奥山さんは、GMに入社した時、ひたすら周囲を観察したそうです。そして、彼らが奥山さんに求めているものを察し、それを満たすために必要なことをやりました。そして彼のデザインは次々と採用されていったそうです。

 

これは、日本人の利点である、周囲に敏感なために何が求められているかが察知でき、それを的確に提案できるという能力がうまく活用できたから。

 

日本にいたら全然気づかないだろう(むしろ欠点に感じる)部分が海外に出ることで利点となる。

 

さらに海外では本当に外国人は他人のことなんて見ていないから伸び伸びとできるものなんだと思います。

ますます日本人、海外に出るべきだ…。

 

無常観と現場での信頼

 これを見ると、日本の基本的なビジネスの姿勢は「現場力」であることがわかる。

裏切られたら終わりで、撤退するしかないが、海外に進出していく日本の経営者はみんなその覚悟を持っている。

だから地元では歓迎される。

その結果、日本の生産拠点は世界中で高く評価されている。

 日本の昔からある価値観に「無常観」というのがあります☝︎

これは、人間も自然の一部で、天災や自然の強大な地下の前で何もできない、って考え方。

 

この無常観が日本のビジネスに対する姿勢にも影響を与えているそう。

日本人が工場を建てたりする場合は、現場の人に喜んで迎え入れられるかどうかが気になります。気になるから、現場の人たちに支持され、いい関係が続く。

 

逆にアメリカなどは現場などは無視!どれだけ効率よくできるかに焦点をしぼっているんですね。

 

他人を気にするからこそ、ビジネスでも現場の人との関係を気にする。

でもそれが日本の生産拠点が世界中で高い評価を得ることにつながっている。日本人だからこそできることなんですね…!

 

言葉でデザインする力

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 デザイナーといえば一日中絵を描いている商売だと思っている人が多いが、絵を描くことよりも何よりも大事なのは、「言葉を通してコンセプトを選び出す」作業である。

 日本人が逆に弱いと言われるのが、言葉でデザインする力。

クリエイティブな要素を誰にでもわかる簡単な言葉で説明し、強い方向性を出す能力。

 

フェラーリF355のモデルの発表会でセルジオ氏が伝説となる「歴史上第六の面をデザインした」という、人々の意表を突きかつ簡潔でわかりやすい言葉で言い表したのは有名な話。

「名言」と言われるものにはそういう短くてもあっと分かる印象的な言葉が多いと思う。

 

そしてこれは自分の中でも本当に鍛えなきゃいけないなぁと思う点。

ついつい長々と説明してしまい結局相手に上手く伝わらず共感を呼べなかった経験が何度もあります。頭が堅いとも言われちゃう…!

 

言葉はそれ自体が力を持っていて、考えを具現化することができます。そして、一言で表現できるものは絵にも描ける。

 

ブログで文章を綴っている身としても、もっと柔軟な文章を書きたいなぁと日々思っています。

絵だけ書いていてもつまらない。

もっと言葉の力も鍛えていきたいです!!

 

団体力に欠け、個人力に優れる

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 平均的な日本人は自分たちのことを、個人力に乏しく、団体力に優れていると考えている。しかし、それは一八〇度間違った見方だ。

日本人ほど団体力のお粗末な人種はいない。

日本のホワイトカラーは、先進国で生産効率が最低の仕事しかできない組織だ。日本の会議の無駄さは、世界的に有名だ。

 日本人が団体力がないのは、議論力がないから。

優秀な日本人5人が集まってそれぞれが自分の意見を言っても、それを戦わせたり合体させたりは避けるんです。だからいつまで経っても意見はまとまりません。

これは、世界で見たら異常なこと…!

 

「議論力」は、議論を通じて自分たちが本当に考えていることを情報共有し、ベストなもの・全員が納得できるものを発見する力です。

日本人がこの議論力が弱いのは当たり前で、小さい時から訓練をしてこなかったから。

それに、団体の中にいると自分の意見を言うのも抵抗がありますよね。

 

逆に言うと、日本国内にはそういう自主規制があるから、しがらみのない海外に行くと個人の本来の実力が発揮しやすくなる。

日本じゃ意見を言いにくいの、めちゃくちゃ分かりますわ…。

 

海外で働きたくなった

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 私は元々海外に行くのが好きなんですけど、これを読んで、一層海外で働きたい!って思いが強まりました。

 

自分の中で日本の社会構造に自分は合っていないと感じることも強かったし、皆と同じようにただただ就職するのもなんかなぁと思っているところもあります。

 

もちろん、就職したい会社があれば考えますが、今のところはない…。でも最近は結構自由な今までの既成概念を破ったような会社もあるのでそこは興味ありますね!

 

ちょっと話はズレましたが、自分がデザインをする上で日本人のセンスを大切にすること、それからもっと鍛えるべき力も見えました。

 

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